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日语短文-基本ができていない人間はなにをやらせてもダメだ

来源: 2017-11-21 16:52

基本ができていない人間はなにをやらせてもダメだ(48)

高校卒の入社試験では、必ず作文を書いてもらうことにしている。課題はたいてい「私の家庭」というようなもの。

私は、まず、答案の最初の一行と最後の一行と字を比較してみる。字の乱れがあれば失格。わずか千字たらずの答案を書くのにも、根気がないと思うからだ。つぎにざっと眼を通して、誤字、脱字を捜す。これは基礎学力と不注意、不用意さを示すものだ。

第三段階になって、はじめて通して読んでみる。何が書いてあるのか、ポイントがはっきりしないものは失格。気のきいた表現や修飾のうまさはそれほど重視しない。ともかく、言わんとすることが一本の太い線で貫かれているかどうかが決め手である。口頭による説得力と同程度に、文章による表現力もなくてはいけない。とくに、文章では、基礎的学力、論理的思考力、常識の豊かさが出るものだ。その点を見るわけである。

第四段階では、内容ーー愛情豊かな家庭環境であるかどうかーーをみる。貧富とか社会的地位は問題ではない。どんな人柄の両親の下に育ち、どんな家庭生活を送っているか、を知りたいのである。

昔から「読み書きソロパン」といわれるように、これが教養の土台である。持ち味を生かせ、個性的であれ、といっても、このような基本ができていなければ、大きく伸びるものではない。

現代は一方において、情報過剰、知識過剰の時代といわれる。足りないのは知識ではなくて、知恵である。知識を自分のものとしてそこから創造力を生む出す知恵が足りない。

しかし、同時に、生半可な、高級な知識は過剰かもしれないが、肝心の読み、書き、ソロバンのような基本的な学力が足りないのも事実である。これは知識というよりも、知識以前の心得といったほうがいいかもしれない。 「私は計算に弱いから」とか「数学は苦手だ」と平気でいう者がいる。計算的判断をないがしろにして、ビジネスは成り立たない。こういう若者が、たとえば、桁数を一桁まちがえた報告なぞを平気で書く。ちょっと常識的に考えれば、在庫が何億なのか何千万なのか、すぐわかるはずなのに。

また、これからは少なくとも外国語の一か国語ぐらいは読み、書き、話せなければならない。

ともかく、二十代には、基礎学力をしっかり固めることである。土台をしっかりとしなければ、飛躍もない。

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