日语阅读短文-貴重な旅
貴重な旅(38)
久しぶりに知人と会うと、必ず、「どこか旅行に行きましたか」と聞かれる。出不精な私の返事はいつも「いいえ」なのだが、相手はこまめに海外へ足を伸ばしている。ただの買い物旅行ではない、彼らの話を聞くのは楽しいが、中には冷や汗ものの話をしてくれる人がいる。
ある女性は、人があまり行かないところに異常に興味を示す癖がある。もちろんツアーには参加しない。日本に帰る日だけ決めておいて、東南アジアの奥地とか、中南米に一人でひょこひょこ行ってしまうのだ。
そのなかでいちばん驚いたのは、中南米に行ったときに、麻薬の運び人と間違われて、隣国にスムーズに出国できず、足留めされてしまったという話である。何日かその国にとどまっていれば、不審人物にされなかったのに、通過するだけだったので、疑われたのだ。
言葉がよくわからない彼女が、
「私は無実だ」
というつもりのジェスチャーを一生懸命やっても、担当官は、
「遠い日本からわざわざやってきたというのに、我が国に一日も滞在しないのはおかしい」
と、疑いのまなこを彼女に向けたままだというのであった。
彼女は特別に人相が悪いわけではなく、どちらかといえば優しい顔立ちなのに、運び人と間違えられたということで、あちらの国々ではいかに麻薬が大問題になっているかがわかった。すったもんだのあげく、半日後、やっと彼女は解放されたが、それも担当官がしぶしぶという感じだったという。「取り逃がした」という顔つきの、彼の視線を背中に感じながら、彼女は「私は無実だもん」とぶつぶついいながら、出国したそうだ。
無事に旅を終えて日本に帰ってこられたからいいようなものの、一歩、間違ったら大事になるところだった。
「へたをしたら、終身禁固刑だったかもしれません」
と彼女は豪快に笑った。確かに貴重な経験をした旅にはなるけれど、私にはそんな旅はとてもできないのである。
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