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日语童话故事-兔子和太郎

来源: 2017-11-21 17:12

むかしむかし、ある山おくに、おじいさんと孫の太郎がすんでいました。

二人の家のすぐそばのささ山には、人をだましてはよろこぶ、わるいウサギがすみついています。

そのころは、ウサギのしっぽは長くて大きなものでした。

ウサギは、この大きなしっぽをじまんにしています。

ある日のこと、山へ出かけるおじいさんが、太郎にいいました。

「山さいって、ひとはたらきしてくるかのう。太郎、夕方にはかえってくるで、おかゆでもにて待っててくれろ」

「うん」

太郎はおじいさんを見送ると、おかゆを作るために、なべをあらいはじめました。

その音に、ウサギが気づき、

「おや? なべを洗っているのか、ということはめしを作るんだな。じゃあ、めしができるまでねて待つか」

そういうと、ウサギはゴロッと横になり、グーグーひるねをはじめました。

さて、夕方。

おかゆもできあがり、いいにおいがしてくると、ウサギの鼻がピクピクピクッと動き、パッとはねおきて太郎の家へ走っていきました。

そして太郎にいいました。

「太郎、なにしてるだ?」

「おかゆをにてるだよ」

「うまいんか、そのおかゆってのは」

「そりゃあ、うめえさ」

「なら、ちょびっと食わせてくれや」

「だめだめ、じいさまにおこられる」

「ちょびっとだ、ほんのちょびっとだけだ。おら、おかゆってのを食ってみてえ。ねえねえ、ねえったら」

ウサギがあんまりしつこいので、太郎はしかたなく、

「じゃあ、ほんのちょびっとだぞ」

と、なべをウサギにわたしました。

ウサギは、うれしそうにおかゆを食いはじめ、

「あち、あち、あちいがうまい、いやあ、うまい! じつにうまい! ああ、うまかった。さようなら」

ウサギはなべをかえすと、あっというまに山へ帰ってしまいました。

太郎がなべの中を見ると、なんと、からっぽです。

こうしてウサギは、人のいい太郎をだまして、おかゆをみんな食べてしまいました。

おじいさんが帰ってくると、太郎はなべをかかえたまま、ションボリしています。

「太郎、おめえ、なにしてるだ?」

「あっ、じいさま。ウサギにおかゆを食われちまっただ」

これには、おじいさんもガッカリです。

よく朝、おじいさんは、山へ出かけるまえに太郎にいいました。

「太郎、きょうは、ウサギにおかゆを食われるでねえぞ」

「うん、だいじょうぶだ」

太郎は、きょうこそおかゆをたらふく食おうと、はりきって作りはじめました。

そしてタ方。

「ウサギがきたって、もうぜったいにやんねえぞ!」

ところがまた、ウサギがきました。

「あっ、おめえのおかげで、きのうはひどいめにあったぞ。とっとと帰れ!」

するとウサギは、まじめな顔をしていいました。

「そんなこといってる場合じゃないぞ。おまえのじいさまがな、山でたおれておったど」

「えっ! ほんとうか? そりゃあたいへんだ!」

太郎はビックリして、なにもかもほうりだすと、山ヘ走っていきました。

その後ろすがたを見送りながら、ウサギはニンマリ。

「ウッヒヒヒヒ、うまくいったぞ」

いっぽう、ひっしで山をのぼっていった太郎は、ちょうど山からおりてくるおじいさんと出くわしました。

「これ太郎! どこいくんじゃ?」

元気なおじいさんを見た太郎は、ようやくだまされたことに気づきました。

「しまった!」

おじいさんと太郎が大いそぎで家へもどると、からっぽのなべがころがっています。

またウサギに、ごはんを食べられてしまった二人は、お腹のすいたまま、ふとんにもぐりこみました。

そしてつぎの日、太郎が、「きょうこそは!」と、おかゆをにていると。

「太郎さん」

「またきたなっ! もうかんべんならねえ、ウサギじるにしてやる!」

人のいい太郎も、さすがにすごいけんまくです。

するとウサギは、

「ま、待って。きょうはあやまりにきただ。すまん、すまん」

と、しんみょうな顔をして、ペコペコと頭を下げます。

そんなウサギを見て、こころのやさしい太郎は、

「よし、ゆるしてやるから、とっとと山へ帰れ」

「いや、それではおらの気がすまねえ。じいさまにこれをやってくれ。これは不老長寿(ふろうちょうじゅ)の薬じゃ」

そういうと、ウサギは太郎に竹づつを手わたしました。

「ふろうちょうじゅって?」

首をかしげる太郎に、ウサギはいいました。

「おめえ、じいさまに長生きしてほしいだろ。これは、長生きの薬なんじゃ」

「ほんとうか?」

「でも、この薬は、すぐになべでにないときかんよ」

「なべ? おまえ、うまいこといって、またおかゆを食うつもりじゃろう」

「なにいってんだ。じいさまに長生きしてほしくねえのか?」

「そりゃあ、長生きしてほしいが」

「それ見ろ、さあ、おらがなべをからっぽにしてやるで、早くその薬をにろや」

そういうが早いか、ウサギはまたまた、おかゆをたいらげてしまいました。

おじいさんが山から帰ってくると、太郎はうれしそうにそのことを話し、さっそく、なべでにた薬をちゃわんについで、おじいさんにさしだしました。

「さあ、じいさま。これ飲んで長生きしてくれろ」

「うん? なんだか、ヘんな色合いじゃのう。それに、においも少々」

と、首をかしげながら、一口飲んだとたん、おじいさんははき出しました。

「うえ~っ! なんじゃ、こりゃあ! ウサギのしょんべんでねえか!」

ついに、おじいさんのかんにんぶくろの緒(お)が切れました。

「太郎! まきを切るナタもってこい! ウサギのやつ、ひどいめにあわせてくれる!」

ウサギは、すごい顔でやってきたおじいさんを見てビックリ。

あわててにげだしました。

「待てっ! えいっ! とうっ!」

ナタをふりまわしながら、おじいさんはウサギをおいますが、ウサギのすばしっこいこと。

あっちへピョンピョン、こっちへピョンピョンにげまわり、ふりむいては、おじいさんをからかいます。

「やーい、じいさま、年じゃのう。くやしかったらつかまえてみろ」

「いわせておけば、いいたいことをいいおって! これでもくらえっ!」

おじいさんは、ウサギめがけてナタをなげつけました。

ウサギはピョンとはねて、ナタをよけましたが、長いしっぽだけはよけそこない、スパッ! と切れてしまいました。

「・・・ああっ! いてっ! いてっー!」

しっぽをきられたウサギは、あまりのいたさに山じゅうを何日も何日も、なきながら走りまわりました。

そのため目は赤くなり、いつのまにか、前あしと後ろあしの長さがちがうようになってしまいました。

それからだそうです、ウサギのしっぽが短くなったのは。

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