【日本昔ばなし】狸の札
本文:
山の中にたぬきの子供が住んでいました。わなにかかったのを、ある親切な男によって助けてもらいました。
「トン、トン」夜、戸を叩く音がしました。
「誰だい。遅いから、寝てるよ。明日でなおしな。」
「ドン、ドン」音が大きくなりました。
「誰だい。」
「たぬきです。今日山で助けてもらったたぬきです。」
「ああ、そうか。お前か。覚えている。」
床から出て戸を開けました。
「何だってこんな遅く来たんだい。」
「命を助けてもらって恩義を忘れるな、って親に言われたんです。」
「驚いたね。たぬきも義理固いんだね。ところで、何ができるんだい。」
「掃除、洗濯、料理、それに化けることもできます。」
男は、不図考えが浮かびました。
「本当か。一万円札に化けられるか。」
「一万円札ですか。お安い御用です。」
たぬきはあっという間に一万円札に化けました。
「おう、うまいものだね。(手にとって)あったかいね。」
「できたてですから。」
「実を言うと、商人から金を借りて、博奕に使っちゃったんだ。明日、金を取りに来るんだ。」
次の日、商人がやって来ました。入り口で挨拶しました。
「どうぞ、お入りください。お金を返しますよ。はいどうぞ。」
「これは、きれいな札だな。あったかいぞ。」
「もちろんです。お大事に。」
「お大事に?」
「一人ごとです。気にしないで下さい。」
商人はお金を持って帰りました。しかし、すぐにたぬきは戻ってきました。
「だんな、あんなこと言ったらいけませんよ。疑ってましたよ。あの男が金を持っているわけがない。陽に翳してじっと眺めて、何回も触りました。それから二つ、四つに折って、財布の中に入れました。背中が痛くて、息ができませんでした。あげくの果て、おならが出ちゃいました。臭いのなんのって、お札の底を破って逃げてきました。」
译文:
山里住着狸的孩子。落入圈套(的它),得到一位善良的男人的帮助。
「笃、笃。」夜晚,敲门的声音。
「是谁啊?」
「我是狸。今天在山里得到(您)帮忙的那只狸。」
「啊,是这样啊。我记得你。」
(他)下床把门打开。
「为什么这么晚来(找我)呢?」
「我不能忘了你救过我的恩情,这是我父母对我说的。」
「真意想不到啊。狸也那么的重情义的说。那么,你能做些什么呢?」
「打扫、洗涤、做饭、而且我还能变出东西来。」
男人,忽然浮现了此念头。
「真的吗?能变出一万日元钞票吗?」
「一万日元钞票吗?这很简单。」
狸在瞬眼间就变出一万日元钞票来。
「哇、好厉害。(他拿着钞票)好温暖哦。」
「刚刚新鲜出炉的嘛。」
「老实说,我跟商人借了钱,统统拿去赌博了。明天,(他)就会上门来讨债。」
隔天,商人终于来了。(他)在家门前打声招呼。
「请进。这些是我要还给你的钱。请收下。」
「这些,好漂亮的钞票啊。还温温的呢。」
「那当然,请保重。」
「保重?」
「我在自言自语。请别放在心上。」
商人拿着钱回去了。可是,狸很快的就回来了。
「主人,你如果这么说是不行的哦。(让)他起疑心了。他不能相信你会有钱。(把钱)举起照着太阳定睛凝视,反复地触摸。然后,叠成两折、四折再放进钱包里。弄得我的背很痛,也无法呼吸。到了最后,我放了个屁。由于实在是太臭了,我只好弄破钞票底部掏了出来。」
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