住民と対話すべきだ
今度の可動堰建設について、建設省と地方の意見が根本的に対立している。建設省は作ったほうがいいと言うのに対し、地方は要らないと強く主張している。そこで、建設計画が既に決められた今、住民の意見を反映するための住民投票が今月の下旬に行うことになった。
しかし、省と地方の主張があまりにも分かれているので、この投票の結果は果たして役に立つことができるだろうかと私は疑問に思っている。たとえば、投票の結果が80%反対であったら、後はどうなるのか、見当がつかない。省側が「いい」と言って、長時間にわたって計画してきた可動堰の建設をその場で放棄するとは思えないし、住民たちがそれで省に譲歩するとも思えない。双方とも自分の主張を守ろうとしたら、住民投票は単なる数字の集計と公表に終わってしまい、何の役にも立たないのではないか。これは意見の対立をなくす方法ではない。
このような形式だけの民主より、実質のある対話を行うことがもっと有意義だと思う。省が住民と対話し、住民が要求するデータだけでなく、可動堰の建設を決めた理由とその根拠になる調査データや専門家の研究報告、それに、可動堰の建設による周囲地域にもたらす利益と損害の予測なども、詳しく住民に提供して、説明するのが本当に意見の対立を無くそうとする態度である。さらに、住民が申し出た希望や要求もできるだけ積極的に取り入れ、住民の信頼と支持を得られるよう、努力すべきだ。
こうしてはじめて、省と住民の間に真の意味での意見交換ができ、二つの考え方もどちらか一方に統一される可能性があるのである。要するに、このことは一方だけの専断によって決められるべきではないと思う。
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