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日语阅读:花木蘭 ホアムーラン(二)

来源: 2018-01-04 14:55

 李元帥はハラハの陣の前に立ち、「何故わが国を侵略しようとするのか」と叫んだ。ハラハは「天下の土地は誰のものでもない。それを我らが支配して何が悪いか。片腹痛し」と、あざ笑うように答えた。李元帥はその身勝手な言い分に非常に立腹して、ハラハと60回も刀を交えたが、決着はつかなかった。

  ムーランは兵営で様子を伺っていたが、一向に進展しない様子に苛立ち始め、何か良い方法はないものかとあれこれ考えた。「そうだ。この手でいこう」と、部下を引き連れ出陣した。

  突然、ハラハの陣営の背後から山をとどろかすような鬨(とき)の声が上がった。ムーラン軍が大挙してハラハの背後を突いたのだからたまらない。ハラハ軍は総崩れとなり、散り散りになって北方へ逃げて行った。

  李元帥の軍は兵営に凱旋した。ムーランは直ちに陣幕の中で鎧を解いている李元帥の元へ赴き、自分の隊の単独行動を詫びた。

  「元帥の許可なく勝手に出撃して申し訳ありません。私の一存でやったことですから、どうか何なりとお咎めを」

  しかし、李元帥はムーランの活躍に大変満足していたので、感慨深げにこう答えた。

  「いやいや、隊長の機転で敵は退散したのだ。かたじけない。今日の戦いの一番の功労者は君だ」

  そして部下に祝杯の準備を命じた。

  宴たけなわにさしかかったとき、突然ハラハ軍が襲撃して来た。ところが四方から味方の兵士がこれを取り囲んだので、ハラハ軍はそのまま退散せざるを得なかった。実は李元帥はハラハ軍の襲来を予想して、一部の兵士に酒に酔った風に見せかけて、兵営の四方を守備するよう命令を出してあったのだ。ムーランは、勢いに乗って追撃しようとしたが、李元帥から、

  「窮鼠猫を噛むという言い伝えのとおり、窮した賊を追い詰めると待ち伏せに会い、逆にやられてしまうぞ」

  と止められたので、追撃を断念した。

  ところがある日、李元帥が敵の待ち伏せに会い、山の谷で敵と血戦になった。頂上にいる敵から投石があり、何人もの仲間を失った。ムーランたちは部下の兵士を盾にして、李元帥を護衛しながら必死で戦ったが、包囲を突破できなかった。しかも、不幸なことに司馬隊長が敵の捕虜になってしまった。ハラハは高位高禄で召抱えるからと投降を勧めたが、司馬隊長は断固として応じなかった。

  ムーランは司馬の妻に変装し、司馬に投降を勧めに行く振りをして敵の陣に赴いてはどうかと李元帥に進言した。李元帥は見破られるのを恐れてすぐには賛成してくれなかったが、ムーランの必死の説得にとうとう決心した。部下である勇猛な兵士100名を選び、伴として連れて行くように勧めたのだった。ムーラン軍は敵陣に着くと、

  「司馬の妻でございますが、夫に投降を勧めるために参りました。どうか夫に会わせて下さい」

  と何度も懇願したので、ハラハの部下は変装したムーランとも知らずムーランをハラハの御前に連れて行ったのだ。

  ハラハも本来は女性であるムーランを司馬の妻と信じて疑わず、酒宴の席に呼んで勺までさせた。それこそムーランの思う壺。ムーランは酒を注ぐ振りをして、突然ハラハの首に帯の中に潜ませていた短刀を付きつけたのだった。部下たちが慌てている中をムーランは、

  「動くな、動いたらお前たちの首長の命はないぞ。私たちの軍が5里離れたところで、ハラハは返してやる」と言い放った。ムーランは5里のところで待っている味方の軍と合流して、約束通りハラハを開放して、馬に乗って李元帥の元に帰った。司馬を救出して、部下の損失もなく帰還できたことで、李元帥は大満足であった。

  月日は流れていった。春が来ると草原の草花は一斉に芽を吹き始め、夏になると短い夏を惜しむように美しい花を咲かせた。また秋になるとそれらは強い寒風に吹き付けられ瞬く間に枯れてゆく。冬になると山々には雪が降り積もり軍勢の行く手を阻んだ。ムーランは草原に咲く花を見ては故郷の山水を思い、凍てつ山々を眺めては故郷の両親を案じた。異郷の地でこのような四季の移り変わりを何回見届けたことであろうか。戦況は一進一退を繰り返しながらも、ムーランたちの軍は徐々に失地を回復し、北方に進んでいた。

  厳寒の季節が到来する頃、ムーランと兵士たちは本隊と離れて黒山頭というところに駐屯を命じられた。近隣の百姓たちが羊と美味しい酒をもって慰問してきてくれた。親切にも綿入れの差し入れまであった。ムーランは真夜中でも巡回を欠くかさず、兵士に食事や綿入れを届けたりした。兵士たちはこの若い隊長の配慮にいつも感激していた。

  ある日黒山頭の前の雪の谷で大勢の敵軍を発見したという知らせを受けた。ムーランの隊は数百人しかおらず、敵の軍勢に比べ少数であることは明らかだった。李元帥に使者をを送った後、ムーランはどのように敵を退けたらよいか思案していた。夜の闇の中で牧羊犬の遠吠えが聞こえた。その時とっさにムーランは敵を打破る方法を考えついたのだ。百姓から差し入れられた百数頭の羊の尾に爆竹をつけ敵を驚かせ、敵軍勢の混乱に乗じて、攻撃を仕掛けるというものである。爆竹に火をつけると激しい音を立てて破裂し、驚いた羊たちはものすごい勢いで山のふもとに向かって突進し、兵士たちは旗をひらめかせて鬨(とき)の声を上げながら後を追って行った。雷鳴のような轟きが山全体にこだまし、突然険しい雪の峰が割れ、降り積もった雪が谷の方に崩れ落ちたのだ。敵兵はこの人工的な大雪崩で雪の中に生き埋めになり、必死でもがいていた。作戦は大成功だった。ムーランと兵士たちは山のふもとに急行し、雪の中から敵の首領であるハラハを生け捕りにしたのだ。ムーランは今までの戦いで犠牲になった兵士や百姓たちのことを思い浮かべ、感極まってハラハに弓を引こうとした。ハラハは観念して目を閉じた。

  その時李元帥の援軍がやってきた。「やめなさい。殺してはいけない」李元帥はさけんだ。「朝廷に連行して、処罰を委ねよう」

  やっと戦争が終わったのだ。「万歳! 万歳!」と兵士たちは歓呼し、軍全体が喜びに湧いた。国を後にしてから12年の歳月が流れていた。ムーランは故郷の家族を思い、羽があったら飛んで帰りたい心境だった。兵士たちは北方の山々に別れを告げ、高らかに凱歌を歌いながら、帰途についた

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