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日本の高等教育制度

来源: 2017-10-31 14:19

   日本の高等教育制度

  1。高等教育機関の種類と修業年限等

  日本に留学して、どんな分野を、どんな教育機関で勉強したいのか、そしてそれは可能なのかを、留学する前に、よく点検してください。自分の専攻したい分野が日本で学べるとは限りませんし、日本ではあまり発達していない学問分野や、今ではもう研究されなくなった分野もあります。また、デザインや写真などのように大学よりもむしろ専修学校に主に設置されている分野もあります。

  <大  学> 日本の大学には通常学部が設置され、さらに大学院を設置しているところもあります。

  (a)学 部 修業年限は4年(医、歯、獣医学部は6年)で、卒業すると学士の称号を得ることができる。

  (b)大学院 修士課程(2年)と博士課程(5年)がある。博士課程は前期課程(2年。上記修士課程に該当)と後期課程に分かれている。修了者にそれぞれ修士、博士の学位が授与される。

  <短期大学> 修業年限2年(または3年)

  <専修学校> 私費留学生の入学対象になるのは専門課程。修業年限1~4年だが、2年が中心。卒業すれば、専門士の資格が得られるところが多い。

  2。設置者別にみた大学

  上記の高等教育機関は、運営母体の種類によって、以下のように、国立、公立、私立の別があります。

  国立:国が設置した学校です。大学の場合は各都道府県に最低一校、全部で99大学(99年度)あります。授業料は、文系?理系にかかわりなく全国同一金額です。

  公立:県や市などの自治体が設置した学校です。公立の大学は、全国で66大学(99年度)あります。授業料などの納付金は、国立大学とほぼ同程度に設定されています。

  私立:民間ベースで設置された学校です。全国で457大学(99年度)あり、東京を中心とする首都圏に約40%が集中しています。授業料は各大学によって異なります。大学によってそれぞれ独自の特色を持っています。

  日本語学校が東京圏に集中していることもあって、留学生の多くは地方にある大学へ進学したがらない傾向があります。しかし、地方の大学は、授業のレベルが東京圏の大学と違いのないのはもちろんのこと、留学生宿舎の建設など留学生受入体制の整備が進んできています。「東京で生活していた頃と比べて生活費が半額近くになり、生活に余裕が出て充実した留学生活を送ることができました」と言う留学生も少なくありません。ほとんどの地方に国?公立大学がありますし、独自の伝統と特色を持つ私立大学も少なくありません。

  文部省では、留学生受入れを推進するために、留学生の東京集中を改めて、地方に分散化する方針を打ち出しています。東京にこだわらずに思い切って地方大学に行く勇気も大切です。

  3。専修学校

  専修学校はほとんどが、私立になります。全留学生のうち、12.4%程度が専修学校で学んでいます(1999年5月1日)。専修学校は目的も設置基準も大学や短大と大きく異なります。学校数も多いので選定に迷う人も少なくないのではないでしょうか。

  専修学校の目的と種類、経費専修学校は、大学のように学問研究ではなく、「職業、若しくは実際生活に必要な能力を育成」すること、つまり社会ですぐに役立つ実技を習得する事を主な目的にしています。設置されている学科は、次の8分野に区分されます。入学金?授業料などの初年度納付金も、医療関係を別にすれば、70~130万円程度になります。

  (1)工業 (2)農業 (3)医療 (4)衛生 (5)教育?社会福祉 (6)商業実務 (7)家政?服飾 (8)文化?教養

  認可の有無を確かめる専修学校の認可は自治体が行っています(国立の場合は国が認可)。1999年5月現在、全国には約3?014校、65万人の専修学校生が在籍しています(東京では、397校、約17万7千人)。これ以外に、学校名は似ていても認可を取らずに設置されているものも多数ありますから、専修学校の認可のあるなしをまず確かめる必要があります。無?未認可の学校に入学すると、「留学」の在留資格が認められません。

  専門士の資格がとれるかどうか確認するまた、文部科学大臣が以下の3つの条件を満たすと認めた学科を卒業すると、専門士の称号が与えられます。?修業年限2年以上?総授業時間数が1,700時間以上?試験などにより成績評価を行い、その評価に基づいて卒業の認定を行っていること専門士の称号を持っていることが、専修学校で学んだ専門に関連する職業に日本で就こうとする場合、就労の在留資格を所得する条件となります。専門士の称号がもらえない学科を卒業すると、日本で就職するための資格を満たさないことになりますから、出願前に確認しておきましょう。

  専修学校は大学の予備課程ではない大学に進学するための予備課程として専修学校に進学する外国人学生も時々いるようですが、専修学校の勉学内容は大学受験に直接結びつきません。出席についても大学より厳しくチェックするところが多いですし、宿題も出ます。

  4。学位の取得

  学位の取得は、留学生にとって特に重要な問題です。学士や修士の学位は、普通に卒業すれば得られますが、問題は博士の学位です。特に文化系における博士の学位については、日本は、米国等の他の国々とは違って従来、学者として完成度の高い研究者に授与されてきたという経緯があるため、きわめて取得が困難です。そのため日本人の場合、文科系の研究者の多くが、博士学位を取得しないまま大学等の教育研究職に就いているのが現状です。

  これに対し、文部省を中心に、1991年学位授与規定を改正するなどして、留学生の学位取得を促進する施策が進められてきました。近年多少の改善が見られますが、各大学、各研究科によって対応がばらばらであり、1996年度の時点では、下の表にあるように、文科系の博士学位の取得率は17%とまだまだ低水準にあります。

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