持(じ)してこれを盈(み)たすは
いつまでも器(うつわ)をいっぱいにして満たしつづけようとするのは、やめたほうがよい。鍛(きた)えに鍛えてぎりぎりまで刃(は)さきを鋭くしたものは、そのままで長く保てるわけはない。黄金や宝玉が家じゅういっぱいにあるというのは、とても守りきれるものではない。財産と地位ができて頭が高くなると、自分で破滅をまねくことになる。
仕事をやりとげたなら、さっさと身をひいて引退する、それが天の道——自然のは
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こびかた——というものだ。
持(じ)してこれを盈(み)たすは、其の已(や)むるに如(し)かず。揣(きた)えてこれを鋭くするは、長く保(たも)つべからず。金玉堂(どう)に満つるは、これを能(よ)く守る莫(な)し。富貴にして驕(おご)るは、自(みずか)ら其の咎(とが)を遺す。
功遂(と)げて身の退くは、天の道なり。
持而盈之、不如其己。揣而鋭之、不可長保。金玉満堂、莫之能守。富貴而驕、自遺其咎。
功遂身退、天之道。
登りつめた坂は必ず降下する。極点に達した威勢(いせい)は必ず衰退につらなる。坂は登りきるな、ほどよいところで身をひくのが第一。りっぱな仕事を仕上げても、身のひき時が大事だというのは、ここのことである。処世訓(しょせいくん)として、主旨のはっきりしたことばである。欲にとらわれていては頂点の危険はみえない。無私・無欲の自然と一体になれば、万事がみえてくる。「持盈」(じえい)「持満」(じまん)の戒めとして有名な章である。
「揣」を鍛(きた)えると読んだのは『説文解字』(せつもんかいじ)の一説である「捶」の意に従った。『経典釈文』(けいてんしゃくもん)
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に引く顧歓(こかん)の説で「冶(や)なり」とあるのと合う。◎「鋭」の字は底本では「梲」とあるが、河上公本(かじようこう)などに従って改めた。◎「功遂げて身の退くは」の句は河上公本などでは「功成り名遂げて」となっていて「成名」のニ字が多い。成功して名誉があがること。今、底本のままとする。
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