機能は果たせない。
河上公(かじこう)本この章を「無用章」と名づけている。無のはたらきという意味であって、無に 重点をおくこの章の主旨とよく合っている。『荘子』(そうじ)でいう「無用の用」もこれ近い。それは、用いどころのない役たたずと思われているもの(無用)に実は大きなはたらきがあることをいうのであるが、外物篇第七章の次の話などでは、有をささえる無としての意味がはつきり出ている。「大地は広いが、人間が役立てているのは足でふむそのおおきなはたらきさだけだ。しかし、そうだからといって、足の寸法だけを残して周囲をり掘下げてしまったら、その残った土地は有用な役立つ土地になるだろうか。無用にみえるものが実は大きなはたらきをもつことは、これでわかるだろう」
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