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而新成。

来源: 2017-08-12 18:31

 前の章では、手さぐりで「道」を求める経験をとおして、「道」の微妙(びみょう)なありかたが語られた。ここではそれを受けて、修行によってその「道」を体得できた古人の風貌(ふうぼう)が語られる。「善く道を為(な)し」て体得した人、すなわち「此(こ)の道を保っ者」は、もちろん「道」と同じありかたをして同じはたらきをとげるはずである。「微妙玄通(げんつう)、深くして識(し)るべからず」というのは、そのまま「道」の説明としても通ずるであろう。そして、それは「深くして識るべからず」であるからには、もはやそれ以上に説明することばはないはずでもある。しかし、哲人はやはり人であって「道」そのものではないから、その行動としてあらわれる具体的な形がある。その形をとおして哲人のすがたをみるとどういうことになるか。それはやがて、「道」の体得者をとおして「道」そのもの、あるいは「道」のはたらきをみるということにつらなるであろう。ここでいうところは、全体としてやはり「柔弱(じゅうじゃく)不争」の「雌を守る」立場である。

  「古(いにし)えの善く道を為(な)す者」の「道」の字は、底本はじめ[諸本では多く「士」とあり、「善く士為(た)る者」と読まれているが、いま帛書(はくしょ)乙本と傅奕(ふえき)本に従って改めた。同じ言葉は第六十五章にもある。「善く士為る者」の句も第六十八章にみえるが、それは「善く戦う者」「善く敵に勝っ者」などと並んでいて、この章で以下に説かれるような最高の理想人としての風貌(ふうぼう)は

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