将(まさ)にこれを歙(ちぢ)めんと欲すれば(逆転の発想)
もしそれをおさえて縮小したいと思えば、しばらく拡(ひろ)げていっぱいまで大きくならせるにかぎる。もしそれを弱くしたいと思えば、しばらく強くならせて増長させるにかぎる。もしそれをだめにしてすたれさせたいと思えば、しばらく元気づけて繁栄させるにかぎる。もしそれを奪い取ってわが物にしたいと思えば、しばらくこちらから施(ほどこ)して与えるにかぎる。頂上まで登りつめたものは、必ず下り坂を転び落ちることになるからだ。このように先を見とおすことを、微明(びめい)—微妙に隠された明智—とよぶ。やわらかくて弱々しいものが、かえって堅くて強いものに勝つという
120
のも、見とおすべきことだ。
魚(さかな)は深い淵(ふち)にひそんでいてこそ安全で、そこを離れてはいけないが、そのように、国を治めるのに役立つ道具というものも、ひそかに懐(ふところ)深く忍ばせておいて、むやみに人に見せてはいけないものだ。
将(まさ)にこれを歙(ちぢ)めんと欲(ほつ)すれば、必ず固(しばら)(姑)くこれを張れ。将にこれを弱くせんと欲すれば、必ず固(しばら)これを強くせよ。将にこれを廃せんと欲すれば、必ず固(しばら)これを興(お)こせ。将にこれを奪わんと欲すれば、必ず固(しばら)これを与えよ。是れを微明(びめい)と謂う。柔弱(じゅうじゃく)は剛強に勝つ。
魚は淵(ふち)より脱すべからず。国の利器は以て人に示すべからず。
将欲歙之、必固張之。将欲弱之、必固強之。将欲廃之、必固興之。将欲奪之、必固与之。是謂微明。柔弱勝剛強。
魚不可脱於淵、国之利器、不可以示人。
*
この章も人の意表をつくことばである。真(ま)っ直(す)ぐの正面からの正攻法ではなくて、裏からの逆手で成功を収めることを、特別な知恵の働きとしてすすめている。いかにも老子流の常
编辑推荐:
温馨提示:因考试政策、内容不断变化与调整,长理培训网站提供的以上信息仅供参考,如有异议,请考生以权威部门公布的内容为准! (责任编辑:长理培训)
点击加载更多评论>>