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解放军文职招聘考试集会で話す井原市長

来源: 2017-10-05 13:40

 集会で話す井原市長

井原市長の話

 台風5号が山口に上陸して来られないかと心配しましたが、なんとかギリギリに新幹線に乗ることができました。なによりも岩国の現状を知っていただきたいと思います。

 岩国は戦後ずっと基地と共存してきました。基地に慣れきっている状態で、協力しながらやってきました。そこに米軍再編によって、厚木基地と普天間基地からジェット戦闘機が60数機やってくると提起されました。今60機いるのが一気に倍になるわけです。米兵は4000人増で、約10000人になります。120機のジェット戦闘機を抱えるとなると嘉手納基地よりも大きく、極東最大になります。

 1年半前にこの話が提起されて、びっくりしました。基地はどこかが引き受けなければならないと理解していましたが、あまりにも巨大なので信じられませんでした。大きな不安と衝撃が走り、国から騒音はひどくならないとか安全であると説明を受けても、信じられないし、納得できないと思いました。

 平成16(2004)年の3月に住民投票条例を作りました。私は議会と激しく対立していますが、その時はたまたま通ったのです。市民の声を大切にするということを政治理念にしていますので、住民参画手段として作りました。今に基地をめぐって大きな課題が出てきて、市民の意見が割れるようなことがあれば、そんな場合に民主主義の原点に帰って決めるしくみをということで作ったのですが、こんなに早く活用するとは思ってもいませんでした。

 合併前に投票しようということで2月7日に住民投票を発議しました。投票率が50%に達しないと無効になってしまうので、とてもいかないという声が大きく、「やめるべきだ」という大合唱でした。しかし合併を控え、岩国市の意思を示さなければならない、そうしなければ将来に責任がとれないと思い、決断しました。

 たった1ヶ月間に説明会を何十回も開き、重要性を訴えました。ぜひ皆さんも1回経験されたらいいと思います。選挙で人を選ぶというのは隔靴掻痒でフィルターを通してしか政治に参加できませんが、「住民投票というのは自らが町の将来を選択できる機会だ」と若い人が言いました。「行かない人には首に縄をつけても連れて行く」とか体調の悪い人も「今度ばかりは行く」という声も聞かれました。通常の選挙では得られない意義があります。58.68%の投票率で見事にクリアし、約90%は反対の意思表示をしました。ボイコット運動の中でこの結果です。「やってくれてありがとう」と言われました。

 住民投票は大事な制度で、やってみて意義がわかりました。市民が参画して「自分達で町を作っていくんだ」という意思も高められ、一つの大きな提起となりました。仕組みを作って必要な時に実施することは民主主義のために大事なことだと思います。まぎれもなく岩国の民意が始めて示されたのです。将来への明確な意思は極めて重いものでした。

 国もこの結果を尊重すると思いましたが、そうはならず、「国防政策だからなじまない」などで、逆に反発の声の方が大きいのです。主権者である市民の声を聞くのが普通なことなのに、それが通らないというのは民主主義は生育途上にあるのでしょうか? 国に考え直してほしいと交渉しましたが、いまだに平行線です。

 それどころか、今行っている新市庁舎建設工事の国からの補助金約35億円がいきなりカットされました。2年半前から工事を行っていて、今年が最後の年なのです。後から出てきた米軍再編を理由にカットするなど、相当強引なやり方で、自分なら、逆に40億にして懐柔に出るところです。2月の住民説明会でもカットは約束違反であるとの大合唱でした。何か約束しても守られる保障がないということで、協議する意味もないということで、「そろそろいいんじゃないか」と言っていた人も大反対になりました。「北風と太陽」です。これは典型的な例で、他にもいろいろな圧力があります。

 愛宕山(鎮守の森)の住宅開発跡地を米軍住宅にという話もまた決まってはいないのですが、大きな不安です。「認めたらお金をあげるよ」と「飴と鞭」で誘導しようとしています。

 人口15万人の町で地方自治と言っても弱いです。夕張市のようにつぶれるのでは? という不安や動揺が出てきています。支援者の中には「市長、よくやったからもういいよ」という声もあります。

 「来るものは来る」「いくら反対しても来る」という人もいますが、そうならばこんなに圧力をかけてくる必要はないのであって、地元の協力がなければ基地はうまくいかないのです。アメリカもそう言っているし、国も地元の協力を重要視しています。基地の司令官もそう言っています。そうでないといざという時、うまくいかないからです。決して地元の声は軽いものではないのです。

 100%とはいえませんが、地元が納得しなければ来ないと思います。簡単にあきらめてはダメなのであって、次の世代の子どもたちが安全に暮らせるのかどうかと考えると、少々の金で取り返しのつかないことをすることはできません。あきらめては責任が果たせません。私の仕事は地域の声を届け、理解を得ていく、お金や圧力でなく、地域住民の安全安心を正々堂々と議論して、納得できる解決策を見いだしていくことです。

 合併したことによって住民投票の成果は厳密には過去のものとなり、うわさや誤った情報も流れています。「あきらめようよ、仕方ない」という声が現実には多いかもしれません。でもあきらめる政治はできません。

 カットされた35億円の問題は厳しいことになっていますが、国のやり方が間違っているんだ、圧力に負けないでがんばろうということで、募金活動を行うことになりました。募金で集まるような額ではありませんが、心意気を示そうということです。明日は銀座?数寄屋橋でも行います。

 5月に衆議院?安全保障委員会に出て、「安全安心というささやかな権利を守りたい。その声を正面から受け止めてほしい」と言いました。これは岩国のためだけではありません。国民の声を受け止めることは民主主義の基本だからです。そしてこれは地域のエゴではありません。必要な協力はしていきます。多かれ少なかれ岩国は基地に依存しており、官民上げて依存体質です。しかしこれは本当の意味での発展ではありません。今までのやり方を変えていく必要があるのです。

 市民があきらめの方向に向かっているにしても、単なる表面的な声が民意ではありません。基地周辺で苦しんできた人の声は変わっていないのです。基地に遠い人たちもその人たちのことを考えてあげる必要があります。基地周辺で苦しんできた人の声を大切にしなければならない。でなければ市長はいりません。市民にあきらめさせる政治はいらないのです。

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